「訪れた場所」壇ノ浦古戦場跡地(山口県)
namekoさん(42歳)による旅の体験談です。

あなたはいま、人生に悩みがありますか?大きな悲しみを抱えていませんか?

無力感にとらわれていたり、すっかり自分に自信が無くなり、

この先何をやっても俺は(私は)上手くいかないんじゃないか……などと、暗い考えが頭を巡って止むことがないのなら、思い切って一人旅に出ることをおすすめします。

それも、行き先は「壇ノ浦古戦場跡」を強くおすすめします。暗く絶望的な気分の時におすすめする場所じゃないって声も聞こえてきそうですが、決してそんなことはありません。むしろ、明るい場所は傷心旅行のロケーションとして不向きです。その明暗の対比はあなたの精神的なバランスを思い切り揺さぶり、残り少ない精神力を容赦なく削り去って行くことは明白だからです。

実際に私自身がそうでした。今年の夏、様々な事情が重なり、中年を過ぎてからの転職失敗や家族の逝去などに打ちのめされて、家族を養うべき立場と現実とのギャップにすっかり自信喪失した私。

心の焦りがあるものの、一歩も先に進めない現状に頭がおかしくなりそうでした。

そんな時、以前からぼんやり考えていた旅行計画を実行に移したのです。

崖っぷちな自分の人生を壇ノ浦になぞらえ、せっかくだから本当に壇ノ浦に行ってしまおうと考えました。失業中ですから旅費を最小限に抑えるべく、時間は掛かるが特急未満の電車が五日間乗り放題の「青春18切符」をフル活用して行くことにしました。

道中は乗り換えが頻繁にあり、また、常に電車に乗る時間が長いために、

普通だったら嫌になるようなものですが、

なにしろ悩みがあったり絶望感を感じている人間にはむしろそれら「キッチリした予定がない」、「あてのない感覚」そして「目的地に急がない」という事がすべてプラスに働いているように感じました。私は壇ノ浦への道中、とても癒やしを感じ、また、普段の生活を振り返る時間とキッカケを得たのです。

そして、長い道中(何しろ本州で最南端の県ですから)のゴールである山口県の下関市に到着。

駅から降りると壇ノ浦古戦場跡まではバスも出ています。しかし、ここはあえて自分の足で行っていただきたいところ。のんびり歩いて一時間くらいですが、海沿いのきれいなルートですので散歩にちょうどいいと思います。

海沿いを歩いて行くと、右手の方に九州との連絡路である「関門橋」が見えてきます。悩みや苦しみを抱えた時に観るこの橋は、きっと橋であること以上の何かを伝えてくれることと思います。そしてその先に控えている、旅のゴールである壇ノ浦古戦場跡。

実際に観た時の驚きや感動などを台無しにしたくないのでここで詳細を述べるのは控えますが、一つだけ言わせていただければ「人生は続いていく」ということを、何らかの形で(もしかしたら意外性を以って)伝えてくれるかもしれません。感じ方、受け取り方は人それぞれですが、少なくとも私にとってはここが、

「新しい約束の地」として心に刻み込まれたことだけは動かせません。皆さんにとって少しでも参考になればと願いつつ紹介を終えたいと思います。